心の傷が癒されるために必要なプロセス。喪失体験編

感情は十分感じて味わうことで和らぎます。  
うまれた感情に 自分の気持ちに 蓋をしていませんか?    
自分の感情とのつきあい方がうまくなると
子どもとの関係や対人関係もよりよくなり
これは子育てにも直結するんですよね。    

ですから 子どもと良き関係を築き、
子どもの成長を見守り、応援したい!

そう思うのであれば まずは調えるは自分自身であり、
自分の感情を蔑ろに扱わないことです。          


***
  今日は、
「心の傷が癒されるために必要なプロセス」
「喪失体験と悲しみ」
についてお話ししたいと思います。      


私たちは、人生において
さまざまな喪失体験をしますね。


大切な人と別れたり、
大切なものを失ったり、

また
これまでできていたことができなくなったり、
これまで自分が担ってきたポジションや役割
を失ったり・・・

こうした喪失体験は
とても辛いものですよね。

こういった喪失体験から
心の傷が癒され、回復していくためには
必要な時間やプロセスがあります。

「悲哀のプロセス」を踏むことの重要性

特に、愛情の対象や、近しい人、大切な人と死別したり、
また自分のアイデンティティと一体化していた
地位やポジションを失ったり、
そんな大きな喪失体験をした場合、

私たちはまず、「茫然自失」状態になります。

    大きな喪失体験をした直後は、
感情や現実感覚がマヒするのですが
これは防衛機制が自然に働いて、
大きな悲しみに直面することから
自分の心を守っているのです。

これが「悲哀のプロセス」の始まりです。      

実際、私自身、
自分の母親が亡くなった時 関東にいたのですが  
その知らせを聞いてから
どうやって自宅の新潟まで帰ってきたのか。

そして、葬儀のことなども断片的にしか覚えていません。

現実なのか、夢なのか、
今何が起きているのか よくわからない。

そんな状態でした。    

そして、この茫然自失期を経て、
心の準備が整ってくると、現実感覚が戻ってきます。

そうなると、

「悲しみ」をはじめとして
「孤独感」「絶望感」「空虚感」「後悔」「不安」 など、
さまざまな感情が生じてきます。


喪失体験による心の傷を
癒していく過程では、

これらの感情に浸る時期も必要です。

悲しいときには悲しみ、
泣きたいときには泣き、
気分が落ち込んだときには落ち込む、

そのことによって、
心の傷は徐々に癒されていき、

そして
喪失したことを受容する心境に至ります。

ですが、

「いつまでも悲しんではいられない」
「早く立ち直って元気にならねば」
「涙を見せず、明るく振る舞おう」

と、
無理をして心をポジティブに持っていこうとすると

悲哀のプロセスが中断され、
心の傷が癒されないままになってしまいます。

私は典型的なこのパターンでした。

「いつもまでも悲しんでいられない!」
「亡くなっているんだから、会いたい・・・なんて思っちゃいけない」
「仕事もあるんだから、落ち込んでいてはダメだ!」   と・・・        

その後、どうにか現実の苦しさから脱出するために必死だったこともあり
本を読みあさったり、
死生観について考えたり・・・

そうやって、「命」や「死」を見つめていくプロセスを踏む中で
時間はかかりましたが
ここに向き合い、悲しみを感じ、味わうこともできました。        


心の傷を癒すためには、
悲しみ等の感情をごまかさず、
ちゃんと感じて味わう必要があるのです。

ですが
それらの感情を感じることがあまりに苦痛な場合は、
無理をしてまで直面しようとしないこと。
ここもとても重要です。

悲哀のプロセスは、

自分の心を守りながら、
無理せず、ゆっくり進めていくことが大切です。

時間をかけて、
少しずつ、
無理のない範囲で、

悲しみや絶望感や後悔などの感情を
感じて和らげていくのが理想的です。

もちろん 悲しみが完全に消えるわけではありませんが
悲しみは自分が扱える大きさになり
新たな人生を歩んでいけるようになるのです。  

長らく自分の感情に蓋をしながら

走り続けてきた私自身の苦い経験でもあり
時間を掛けながら
繋がった部分でしたので
お伝えさせて頂きました。

【編集後記】

余談ですが。

日本には家族や大切な人と死別した後に、
「喪(も)に服する」風習が
古くからありますね。


「喪に服する」というのは、

「人の死後、その家族や近親者が、
結婚式などのおめでたい行事や
祭りなどの華やかな行事や
社交的な行事などへの参加を控えて、
亡くなった人のことを偲びながら、
慎ましく暮らすこと」
です。



この風習は、

亡くなった人のことを思い、
悲しみなどの感情を十分に味わうことが、
残された人々の心のリハビリに必要だからこそ
文化として受け継がれてきたのです。



喪の期間は、
日本では、
およそ1年間くらいですね。

この期間に、
あまり活動的に生活してしまうと、

悲嘆のプロセスが進まず、
心の傷が癒されないまま残ってしまうのです。

そこで、十分に悲しむために
喪に服することが推奨され、
それが風習として根付いたものと言われています。



ですが、
現代社会においては、忙しい日々を過ごされる方も多く、
悲嘆のプロセスを十分に全うするのがなかなか難しかったりしますよね。  

ときに 立ち止まり 大切なものを大切に    

見つめる時間と 心のゆとりを  

今こそ。

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