自分らしく！？の罠

「自分らしく生きよう！」

「自分らしさを大切にしよう！」

最近はそんな風に言われることが
増えてきているんじゃないかな。
と感じています。

では

あなたらしさって何ですか？

そもそも自分らしいって何でしょうか？

＊

人はいろんな顔を持っていて、

人間関係の数だけ、

そのとき、そのときの自分の顔があります。

元気で明るい「わたし」
落ち込む「わたし」
不機嫌な「わたし」
など

日々、
いろんな感情を感じ、
いろんな顔が出てきては
それらを出せる場を
おのずと選びながら
過ごしているんですよね。

私は、１０代、２０代の頃
明るく、元気な側面や

また、
スポーツをやっていたり、
リーダーなどをまかせられることも
多かったという側面からも
周囲からは
元気で活発、明るい性格の印象がつよくあったと思います。

ですが、
元気のないこともありますし
落ち込むこともあります。

そんな
落ち込んで、元気がないときに

「あいこらしくないよ～」

と言われたことがあります。

そのとき
私はどう思い、
どうしたかと言うと

「そうだよね。
こんな落ち込んでいたら、私らしくないよね！」

とすぐに、
元気にふるまい、笑顔をつくろう自分がいました。

それからも

ふと、
元気のない自分
落ち込む自分

また、
不機嫌になる自分
怒りがわく自分が
少しでもでると

「わたしらしくない！」

と押し込め

笑顔をとりつくろうことを繰返し

そうやって更に

「元気でいなきゃ、笑っていなくちゃ、わたしらしくない！」

という自分に当てたメッセージが
どんどん強化されていき

これが
”わたしらしさ”に
すり替わっていました。

ですが
それは本当に「わたしらしさ」なんでしょうか。

人には
いろんな側面があって
いろんなその人らしさがあります。

そして
いろんな人との出会いや
出来事、経験を重ねる中で
いろんな「自分らしさ」と出会っていき
変化していくものだと感じています。

現にわたしは
明るく元気な側面だけでない「自分」がいることは事実ですし
その側面だけで
自分らしさだと固定することは苦しくもありました。

また、いろんな顔、いろんな感情を出したときに
それを受け入れてもらえる経験をすればするほど
ありのままの自分を受容できることに繋がってもいきます。

それが、
自分で自分のいろんな顔を受容できて
自分で自分の感情も受け止めることができるようになっていきます。

＊

今日は、
”自分らしくあらねば！”
”自分らしくあることが大事！”

と、「自分らしく」という名の罠に
はまってしまっている方へ

「自分らしくあろうとしなくてもいいんだよ。」
というメッセージを届けたく
つらつらと綴りました。

そして最後に、
私がとっても勇気づけられた
ビートたけしさんの詩集
『僕は馬鹿になった。』からの
詩を一遍紹介したいと思います。

＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝

『騙されるな。』

人は何か一つくらい誇れるものを持っている
何でもいい、それを見つけなさい
勉強が駄目だったら、運動がある
両方駄目だったら、君には優しさがある
夢をもて、目的をもて、やれば出来る
こんな言葉に騙されるな、何もなくていんだ
人は生まれて、生きて、死ぬ
これだけでたいしたもんだ

＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝

これがなくなったら、私じゃないんじゃないか。
こんな自分ではダメだ。

どこかそんな恐怖感を感じていたときに
出会えたことで
これまたものすごく救われたメッセージです。

そして
本当の意味で

できても
できなくても

あなたの価値は変わらない。

親としても
ひとりの人間として
本当の意味で伝えていける私でありたいな

【編集後記】

NHK Eテレの『Q~こどものための哲学』が好きで、
子どもと一緒に
絵本や動画で楽しむことがあります。
（こちら⇒https://www.nhk.or.jp/school/sougou/q/）

さまざまなテーマで
問答を繰りかえし、
自分の中にある答えを見つけていく
といった内容なのですが

子どもと一緒に問うてみることも好きですし、
そもそも私自身が考えさせられることがたくさんです。

その本の中から
つい最近
『そもそも自分らしさってなに? 』
というテーマのモノを
子どもと一緒に読み

「自分らさってなんだろうねぇ～」
なんて話していました。

動画、本の中で
「きみの自分らしさってなんだろう？」
という問いかけがあ
それに対して
４人の子ども達が自分らしさについて答えている場面があります。

それを見て

「あ、これ、オレもだ！」

と４人全員が話す”自分らしさ”に
全部あてはまる息子なのでしたｗ