いちばん距離調整が難しい「わが子との距離」
こんにちは
心とカラダの土台づくりを通じて
可能性を未来へつなぐ
「ココカラミライ」
梅田あいこです。
*
その中で
「人間関係の健康度を計る基準がありますよ~」
とお伝えしました。
そして、その中でも
人間関係の健康度を決める「根源的な指標」として
『ほどよい距離=健全な境界』
が不可欠でしたね。
しかし・・・
その…ほどよい距離がむずかしいんですよね(^^;
私もつくづく
そう感じています。
そこで、今日は
うまく距離をとるのが
いちばんむずかしい!?
=============
わが子との「距離」について
=============
もうすこし踏み込んで
お届けしていきますね。
他の人間関係ともつながる内容なので、
よりよい関係性を育みたい方は
ぜひ読んでみてください^^
*
では、はじめていきましょう~
*
人間関係は、
「距離の取り方」が整うことで、
ぐっとラクになります。
けれど
「距離を取るのがむずかしい相手」
という存在もいます。
あなたは
まず、だれの顔を思い浮かべますか?
人によってはパートナーだったり、
自分の親だったり
そして、
わが子の顔を思い浮かべた方も
多いのではないでしょうか?
そうなんですよね。
近親者との「ほどよい距離」というのは
近しい関係であるがゆえに、
いちばんむずかしいと言われています。
*
家族療法家の
サルバドール・ミニューチンは
「家族の誰かに
問題が生じやすい家族には、
家族が互いの幸福に
行き過ぎた関心を持っている」
という特徴があると
述べています。
もちろん、
「幸せであってほしい。」と願うのは
当然のことで、自然なことです。
私も心から願っています^^
では、
『互いの幸せに行き過ぎた関心を持つ』とは
具体的にどういう状態でしょうか?
それは・・・
分かりやすい例で言えば
過保護、過干渉になってしまうこと。
(※過保護、過干渉について
この話はまた改めて
詳しくお伝えしようと思います^^)
今日は簡単に触れると・・・
過保護とは、
子どもが本来自分でできることまで
親が先回りしてやってしまうこと。
つまり、
子どもの発達課題や自立の機会を
親が奪ってしまう状態のことです。
たとえば、
・子どもが困る前に手を出す
・失敗や挫折を経験させないように先回りする
・子どもに考える力があるのに
「あぁしたほうがいい」「こうしたほうがいい」と口出しが増える
そう、つい…先回りしてしまう。
これはまさに 「行きすぎた関心」であり
心理学のさまざまな研究でも、
子どもの心理的成長を妨げることが分かっています。
私も、ついつい余計な
手出し、口出し、先回り
これまで
たーくさんしてきました(^^;
年齢や発達段階によって
必要な介入はもちろんあります♪
ここもそえつつ・・・
*
さて、ここでひとつの事例をご紹介します。
『7つの習慣』の著者
スティーブン・R・コヴィー博士が
息子ショーンに対して
過保護になってしまっていた経験を
語っています。
ショーンくんは
学校生活になじめず
学習・運動・対人関係すべてが苦手で、
周囲の笑い者になってしまうような時期がありました。
コヴィー博士ご夫妻は
「なんとか助けたい!」という一心で
徹底的にサポートしました。
仕事を中断して
キャッチボールの練習をしたり
勉強を手伝ったり…
また、
励まし、手を差しのべ、
時間もエネルギーも注ぎ込みましたが…
結果としてショーンくんは、
ますます自信を失い、
どれもうまくいかなくなった
といいます。
そして、心理学を学ぶ中で
コヴィー博士は
ある衝撃の事実に気づきます。
それは、
「自分たちがショーンを
“無力な子ども”として見ていたことが、
ショーンをますます無力にしていた」
ということ。
親のモノの見方(パラダイム)が
子どもの内面の深いところに
影響を及ぼしていたのです。
そして、夫婦で話し合った結果
「ショーンの中にある力を信じよう」
という大きな方向転換をします。
過保護をやめ、
“ショーンの主体性” を信じる姿勢へシフトしたのですね。
もちろんショーンから
何かサポート依頼されたときは
できる範囲でやることもあるけれども、
こっちから過保護に関わることはもうやめよう!
と決められたそうです。
そのショーンくんこそが、
後に『7つの習慣ティーンズ』を書いた
あのショーン・コヴィーなのです^^
つまり、以前のコヴィー家は
「行き過ぎた関心=過保護」 の状態にあり
これは心理学的に見ると
とても不健康な関係だったと言えます。
* * *
ここまで読まれて
子育て中の方も
すでに子育てを終えられた方も
胸がキュッとして
「あぁ…私もやってきたかも…」
と感じた方がいるかもしれません。
どうか、ご自分を責めないでくださいね。
わが子に対しては、
どうしたってダイレクトな感情が動きます。
心理的に分離すること
ほどよい距離をとることは
頭ではわかっていても、とても難しいのです。
愛しいし、
守りたいし、
助けたいし、
良い方向へ導きたい。
この気持ちは、
親として ごく自然で、尊い願い です。
そしてもうひとつ
子どもの頃の私たち自身が
「親に近づいてほしかった」
「離れてほしかった」という
内なる体験(未完の思い) を抱えていることも、
親子の距離が難しくなる理由のひとつ。
つい近づきすぎてしまう。
つい守りたくなりすぎる。
つい良かれと思って介入しすぎてしまう。
それは
親としての未熟だとか、ダメだからとか
そうではないですからね。
親子関係には、
ほかのどんな関係とも違う
特別な「むずかしさ」と「尊さ」があるから。
わが子への愛情、
自分の中に残っている幼い頃の記憶や感情、
そして「こうあってほしい」という願い。
それらが心の中で重なり合うからこそ、
親子の距離は、ときに混ざり、近づきすぎ、
ときに苦しくなる。
でも、だからこそ
親子の距離を
ていねいに見直していくことは、
自分自身をやさしく
癒していくことにもつながります。
今日は、
いちばん距離調整が難しい
“わが子との距離”について
いっしょに見つめていきました。
親子の距離は「正解」ではなく、
ゆっくり整えていけばいい。
ほんの少し意識が変わるだけで、
お子さんの関係は
これから
もっと、やさしく、あたたかく
育っていきます^^
*
ここまで読んでくださって、ありがとうございます。
「わが子との距離がいちばん難しい」
と感じる背景には、
実は 自分自身の“心の土台”の状態 が
深く関係していることも少なくありません。
もしよかったら、
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気づくことは、責めることではなく、
これからを少しラクにしていくための第一歩。
あなたのペースで、受け取ってもらえたら嬉しいです♡
