夫婦連合が弱まったとき、家庭の中で何が起きるのか
こんにちは
心とカラダの土台づくりを通じて
可能性を未来へつなぐ
「ココカラミライ」
梅田あいこです。
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前回は、(「夫婦連合」と「子どもの発達」)
家族心理学の視点から
・「なぜ夫婦連合が子どもの発達に大切なのか」
・「夫婦連合が子どもの安心と自立に
どんなふうに関わっているのか」
をお話ししました。
夫婦連合とは…
夫婦が2人でタッグを組んでいる状態でしたね。
「夫婦の関係性が、
子どもの安心感にどう影響するのか
よくわかりました~」
という嬉しいご感想もいただきました^^
ありがとうございます!
でも一方で、こんなお声も…。
「うちは、夫婦連合が弱いです。
母子連合をつくる場面が多くあり、反省。
夫のことを蔑ろに扱い、息子の前でも
パパはホント困ったね。
と同意を求めるように話してしまっていました。」
このように感じる方も、実はとても多いのです。
私自身も、家族心理学を学ぶまでは
えーっと
えーっと
はい…やってしまっていました(^^;
ですが・・・
関係の再構築・修復はいつからでもできる!
ということも、知っておいてほしいところ。
子どもは、言葉だけでなく、空気を感じ取ります。
親の関係性のあり方は
「ここは居場所としてあるんだ。」と
心の安心場所となるんですよね。
逆に、夫婦の関係がギクシャクしていると
子どもは無意識にどちらかを守ろうとしたり
「自分が家族をまとめなきゃ」
と感じてしまうこともあります。
だから、子どもの前で
「パパの悪口」「ママの悪口」を言わないこと、
夫、妻それぞれが、それぞれを
軽んじるような態度をとらないことも、
実はとても大切なんです。
そこで今日は
もう少し掘り下げて、
「夫婦連合が弱まったとき、家庭の中で何が起きるのか」
についてお話したいと思います。
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では、はじめていきましょう~
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子どもはある年齢になると、
異性の親を「大好き!」という気持ちから、
「自分が一番愛されたい」
「自分がお母さん(お父さん)のパートナーみたいになりたい」
と思う時期があります。
この時期のことをエディプス期といって
おおよそ3~6歳頃を示すのですが
異性の親を
「お母さんは、ぼくのモノ!」
「お父さんは、私のモノ!」
と強く思い
「自分のものにしたい」と感じ
同性親に対してライバル心を抱きます。
これは自然な発達過程なんですね。
この時期に、
しっかりとした夫婦連合があると、
子どもは大切な現実に気づきます。
「あ、お母さんにとって一番はお父さんなんだ」
「お父さんにとって一番はお母さんなんだ」
この“ガッカリ”を通して、
子どもは「自分は万能ではない」ということを学び、
親を尊敬の対象として受け入れていきます。
実はその“がっかり”こそが、
心の成長に欠かせない体験なんです。
これが心理学でいう「去勢体験」であり
自我発達における重要な通過儀礼なんです!
「親にはかなわない」という現実を受け入れ
親を尊敬の対象とし
同性の親をモデルにして
自分の性役割や自己像を確立していきます。
そして、
同性の親をモデルにしながら
男の子は父親から男性性を
女の子は母親から女性性を学び
大人への心理的な一歩を踏み出すのです。
ここから、子どもは少しずつ
「自立」へと向かっていくのです。
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けれども、夫婦連合が弱まると、
家庭の中で“バランスのずれ”が起き始めます。
例えば、
日本の家庭では多いと言われているのが
妻が夫に関心が持てずに、
子どもの方ばかり意識が向く
そんなケースもあります(^^;
こういったケースですと
母子の関係が過度に親密になり、
お母さんと子どもが心理的に共依存のような状態になります。
また、
互いに感情的に影響し合う関係に陥ってしまうこともあるので
家族の境界があいまいになっていきやすいんですね。
その結果、父親の存在感が薄れ、
子どもは父親を「尊敬できるモデル」として
心の中に取り込むことが難しくなります。
父親のようになりたいという憧れや、
社会のルール・道徳観を内面化する力(超自我の形成)が
弱まっていくのです。
そうすると、子どもはいつまでも
「ママにとってのナンバー1は自分!」
という立場でいられてしまい
すると、万能感を手放す機会を失ってしまいます。
こうして、
成長しても心理的に
“子ども”のまま大人になってしまうことがあり、
・自分がいつも中心でないと落ち着かない
・他者を尊敬することが難しい
・大人になっても、母親への依存が強く残る
などの傾向が現れやすくなります。
結果として、
心理的な自立が難しくなっていくことがあるのです。
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このように、夫婦がしっかりと連合して
「大人のチーム」をつくれているかどうかは、
子どもの心の発達に大きな影響を与えます。
夫婦連合が整っている家庭では、
子どもは安心して“子どもの立場”にいられます。
自分の感情を素直に表現し、
「大人に任せて大丈夫」という信頼の中で育つのです。
逆に、夫婦の関係が不安定で境界があいまいだと、
子どもは無意識のうちにどちらかの味方になり、
家族のバランスを取ろうとしてしまいます。
それは、本来
子どもが担うべきではない心の負荷です。
夫婦がしっかりとチームとしてつながっていること――
それは、子どもにとっての見えない安全基地。
「お母さんとお父さんは大丈夫」
「大人はちゃんと大人同士でつながっている」
この感覚が、子どもの中に
“世界は安心できる場所だ”という信頼を育てていくのです。
ですが
夫婦連合は、決して
完璧な夫婦関係をつくることではありませんし
仲良し夫婦になろう~
ということを言っているのではありません。
「子どもの親としてタックを組む。」
これが大事なんですね。
人と人。
もちろん価値観の違いはありますし
相容れないこともある。
ですが
「違っても、つながっている関係」を育てる。
その姿を見て、
子どもは
“人を信じる力”
“関係性の構築”を学びます。
夫婦が手を取り合いながら
家族というチームをつくっていく姿こそ
子どもにとって、
心の安全基地となり
未来へのひとつの希望になると思います^^
*
今日もお読みいただきありがとうございました。